適当に誤魔化そうとしたが花音さんはどうやらそれを許すつもりは無いらしい

コンコンスカーレットソウル 羽沢つぐみ コス衣装 ……コンコン「んぁ?そっか、もう練習の……」『美咲ちゃん?入ってもいいかな?』この声は……そもそも、この部屋の中にいるのは皆ミッシェルだと思ってるから私の名前を呼ぶのは──。「花音……さん?」『うん……少しだけお話、いい?』時計を見やるとまだ小一時間はある。「……どうぞ」部屋の鍵を開けて花音さんを招き入れるのだった。「……あのね、美咲ちゃん。最近学校休んでるって話だけど」「ええ、確かに休んでます」恐る恐る聞いてくる花音さんにできるだけ声が震えないように答える。「……理由を、聞いてもいい?」「別に理由なんてないですよ。なんとなくです」「私達に、話せないことなの?」「……」適当に誤魔化そうとしたが花音さんはどうやらそれを許すつもりは無いらしい。何時もは柔らかな雰囲気が重苦しいものになっていくのを感じる。「話したところでどうにもなりませんよ。貴女達は今まで通りにハロハピとして活動すればいいでしょう。安心して下さい。ミッシェルはちゃんとバンドを続けますから」「違うよ、美咲ちゃん?ミッシェルの中に居るのは紛れもなく美咲ちゃんなんだから──」何故だろう。自分の中でドロドロとうねりを成している感情が何故この時に爆発したのだろうか。「違うっ!!!」「み、美咲ちゃ──」「ミッシェルは──ミッシェルは私じゃない!!」ミッシェルは、ミッシェルなのだ。改めて言葉に出してみればやはり自分が持っていた感情の根幹はここにあったのかと納得できる。「ずっと私は今まで確かにミッシェルの中に入ってきました。でもいつの間にかそこに居るのは『ミッシェルの中の私』ではなく『ミッシェル』だったんですよ。その場に私としての居場所はもう無いんです」だからこそ拠り所を私は求めた。奥沢美咲としてあの場所にいたかった。「でもそれも叶わぬ願いでした。私には、貴女達と肩を並べていられるほどのものは何も無い」だからあの場所から二重の虹 山吹沙綾 コスプレ衣装去るって決めた。それならそれでいいじゃないか。「美咲ちゃん……?」思考と言葉が恐らく一致していないからだろう。花音さんは困惑してこちらを見ているがもうどうでもいい。私がこのバンドに関わることなんてもうないから。「……話す事は、もう何もありません。戻ってください。私は着替えなければならないので」