氷川姉妹に思いを馳せるように、氷川家の方角に視線を向けた

リサも充足の凱旋 湊友希那 コス衣 

友希那も、燐子の言葉に疑問を呈する。臆する事なく燐子は、その先を言葉にする。 「今の感覚からも…当時の感覚を推定しても納得出来なかったんです。正直…言い方は悪いかと思いますが、後追い自殺じゃないですか…これって…。今の感覚でいうと、兄が死んだから後を追って自殺するようなものです。何もかも、衣食住全てを依存しているような存在が死んだのなら話は変わるかもしれませんが、ポルックス自身も優れた戦士です。軍事国家において社会的地位もあると思われます。悲しいとは思いますが、死ぬほど…とは…。それに…当時の感覚を推定するともっと有り得ないと思っていました。なんていっても軍事国家です。戦争で死ぬ事は最高の誉です。当時は、死体がぐちゃぐちゃであるほど、より栄誉な事であったそうです。…激しく戦った証という事で…。そんな状況であるので、戦時でなく死ぬなんて恥です。戦士であるカストルも…ポルックスも許容できるとは思えませんでした。」そこまで言い切り、燐子は息を吐く。一息入れ、氷川姉妹に思いを馳せるように、氷川家の方角に視線を向けた。「でも氷川さんと日菜さんを見たら、なんだかポルックスカストルを追ったのも…なんだか納得できるような気がしたんです。」そう言うと燐子は、穏やかな表情で目線を進行方向に戻し、歩を進めだす。リサも友希那も微笑みながら燐子を追う。「神聖隊という部隊が、古代ギリシアのテーベという国にあったんです。アレクサンドロスに敗北するまで、およそ70年ほど負けなしの強靭な部隊だったとか…。」 歩きながら、燐子はさらにその先を、行く。RAS マスキング コス衣装「ゲイだけの部隊で、恋人同士で部隊を組むんだそうです。恋人を守ろうとする力が、愛の力が、当時中堅国家であったテーベを、当時最強であったスパルタを打倒するに至らしめるまでに。」なんだか不穏な気配を感じたリサが話を遮ろうと「あのさー、燐…「当時、古代ギリシアにおいてゲイというのは珍しい事では無かったそうです。…というか…バイセクシャルである事が普通だったそうです。プラトンソクラテスアリストテレスもレオニダスもアレクサンドロスも、おそらくバイセクシャルであったと思います…。カストルポルックスも…双子の兄弟という、兄弟愛という絆の他に、恋人としての愛の絆があったとしたら…様々な柵を乗り越えて、一緒にいたいと願う事に…なんだか納得出来てしまったんです。」