んまあ、調べてみるだけなら損しねえだろ

「郊外バーチャル 壱百満天原 コスプレ衣装再開発基金のこと、調べてみようと思うんだけど」路肩に駐めた捜査用車に戻るなりポルカちゃんにそう訊くと、運転席に入ったポルカはしばらく考え込んでから返してきた。「......まあ、ええやろ。何かしら関与がありそうな感じじゃあるしな」「ポルカちゃんはやっぱり、郊再基金は絡んでないって思ってるの?」始動モーターの甲高い音を挟んで、ポルカちゃんが答える。「断定はできねえけど、相変わらず動機が謎だからな。今ある材料だけで判断しろって言われたら、ポルカは事故説に一票入れる」「そっか......」ちょっとガッカリしてそう言うと、ポルカちゃんはちょっとこっちに視線を向けて小さく溜め息を漏らしてから言った。「んまあ、調べてみるだけなら損しねえだろ」「ここって......資材置き場かな?」ビバリーヒル大通りとマリポーザ通りの角にあったのは、金網フェンスで囲まれた建築資材置き場だった。ビバリーヒル大通り側には出入口らしきものはない。「みてえだな。こっちに入口あるかな?」ポルカちゃんがそう答えて、捜査用車をマリポーザ通りに曲がらせた。その辺り一帯は再開発中の住宅地だった。あちこちで新しい家が建てられてて、資材置き場の中でも作業服姿の人たちが忙しく行き来しているのがフェンス越しに目に入る。ポルカちゃんはマリポーザ通りから一本東に入ったところに資材置き場の門があるのを見つけて、そっちに捜査用車を乗り入れた。この辺は再開発中だから、2期生 岸堂天真 コスプレ衣装この小さな通りにもまだ名前はついていない。門を入ってすぐのところに飯場を兼ねた事務所らしいのがあるのを目にとめて、ポルカちゃんは捜査用車を事務所の前に駐めた。ちょうど事務所の前に現場監督らしい人がいたので、そっちに歩み寄っていく。向こうのほうがこっちに気が付くなり、先に声をかけてきた。「おい嬢ちゃん方、ここは危ないから立ち入り禁止だ」先に立っていたポルカちゃんがちらっとこっちに視線を寄越した。私が話せってことらしい。「ロス市警の白上刑事と尾丸刑事です」警察官を掲げて続ける。「ここが郊外再開発基金の事業所だと登録されてるんですけど」「ここはエリシアン・フィールズ不動産開発の現場事務所だぜ、お嬢ちゃん」そう言って、現場監督は事務所に掲げられている看板を指し示した。いま彼が言った通りのことが書かれていて、どこにも郊外再開発基金の文字はない。「んじゃ、エリシアン・フィールズは郊再基金の出資者ってことですね?」「ああ、たぶんそういうことなんだろうよ。俺は知らねえけどよ」ポルカちゃんが確認するように訊くと、現場監督は適当にはぐらかした。それを受けてポルカちゃんは大げさに肩をすくめると、私に向かって言った。