いつかろくでもない人間に捕まって人生無駄にしますよ

「今夜はRAS レイヤ コスプレ衣装 ご飯いる?」

f:id:cgcosplay1:20201012164113p:plain


「いや、いらない。」「ん、分かった。そうだ、今日は私も一緒にお酒を飲んじゃおうかな。」「それは良い考えですね。」花音さんはパァっと笑顔になり、鼻歌まじりで、袋の中を片し始める。幸せな人間だな、と花音さんを見ていると思う。そして、純粋な人だな、とも。そもそも、今のあたしと花音さんは一緒に居てはならないのだ。水と油が混じり合わないように。どう考えても、今のあたしは不純物だ。なのに、花音さんはあたしと一緒に居れることを喜ぶ。だが、絶対に、花音さんがこちら側に寄せるようなことがあってはならないのだ。花音さんの為を思うと、一刻も早くここから出たい。けれど、あたしには家がない。惨めな話だ。今のあたしは、貯金を食い潰し、バイトもクビになり、大学にも行けず、親とも絶縁状態になり、何故生きているのか不思議なくらいだ。何度も死のうと思った。死ぬのは怖くないから。ただ、今のあたしがそっちに行ったって、こころは喜ばないと思った。そう思うと、死ねなかった。そもそも、こころが喜ぶ喜ばない以前の問題で、多分今のあたしが死んだって、地獄に配属される。天国で楽しく動き回っているこころには、きっと会わせてもらえない。それでも、いつかは真っ当な人間になって、こころと相応しい人間にならなくてはと、居候をしてでも生き延びてきた。でも、真っ当な人間が何なのか、あたしはまだよく分からない。だが、もしかすると目の前にある酒に、真っ当な人間は逃げないのではないか。ボヤけてきた視界の中で酒と睨めっこをする。「どうしたの、そんなにお酒を見つめて。ね、乾杯しよう?」「あたし、もう飲みません。」「え?」「こんなの。」空き缶にデコピンをする。夜行性ハイズ コスプレ衣装倒れた缶のカランカランと高い音が、2人きりの部屋に響く。「…そっか。じゃあ片付けちゃうね。」花音さんは手際良く空き缶を片付けていく。あたしは、その様子に、何故だか無性に苛ついた。「怒らないんですね。」「うん。」「そういうの、いつかろくでもない人間に捕まって人生無駄にしますよ。」「もう捕まってるんじゃないかな。」