私はピエロ 氷川 日菜 コス衣装湊グループのご令嬢、湊友希那さんの秘書をしている。
湊さんは社長であるお父様の跡を継ぐために社会勉強として会社で働いているが、私はそんな湊さんと同い年で、面接を受けた際の印象が良かったようで、なぜか湊さんに指名され、新卒でいきなり大きな会社の社長の娘の秘書になってしまった。それから湊さんのことを秘書として支え続けてそろそろ4年になるところだ。そんな4年勤めてきた中で初めて言われた言葉。笑ったことはあるのか？私は基本的に感情を顔に出したりはしないし、顔がどちらかというと怖い方なようで、社内でも『氷の女』などと呼ばれているらしい。湊さんに『氷の女』と呼ばれていると笑いながら教えられた時は複雑な気持ちだった。湊さんだって滅多に笑わないのだから似たような物なのに…。話は戻るけれど…「なぜそのようなことを聞くのですか？」「この前会ったRAS社の営業がね、「氷川さんは笑うとさらに綺麗に見えると思います。氷川さんの笑顔は御社の武器になると思いますよ」って言ってたのよ」「はぁ？」イマイチ話が掴めない。そんな他社の営業マンの話を聞いたからといってもしや本当に私に笑えと言い出すのか？「それでね、思ったのよ。紗夜って笑ったことがあるのかしら？って」「…ありますよ」「最後に笑ったのはいつ？」「………」「思い出せないほど前でしょ？」湊さんの話は突飛だったが、確かに今思えば最後に笑ったのはいつか分からない程に私は笑ったりしていないことに気づいた。「あなたのことを働かせすぎているなと思ったのよ。」ピエロ 大和 麻弥 コス衣装「そんなことは！」「私は親の七光だなんだと言う人達を黙らせる為に仕事ばかりしてきたわ。そんな私を紗夜はずっと支えて来てくれたわね。私を支える為に私以上に、ずっとあなたはたくさんの仕事をこなして来てくれたわ。」「……私には仕事しかないので」「それよ」「？」急に湊さんは帰り支度を始めた。それとは何？
