ちなみに賭場開いてるのは清水家なのよ!

「痛いD4DJ 全員 コスプレ衣装 痛い、ギブギブギブギブ!」静かな陽葉学園の校舎の中に響き渡る声。由香はそれを聞いて声の方へと歩いていく。「お〜、やってるねえ!『DJクノイチによる清水家令嬢への関節技ショー』!」「何それ、初耳なんだけど」ちょっかいを出そうとした絵空にいつものように関節技を極めている犬寄しのぶは、人混みの中から現れた由香の方を見て言う。「知らないの?今や陽葉学園での一大エンターテイメントになってるんだよ?」「知らないよ。……道理でアタシが絵空に関節技極めてる最中に周りに人だかりが出来るわけだ」しのぶ、絵空、由香の周りには40人ほどの生徒が円をなしてその様子を見守っていた。後ろの方でよく見えないためにジャンプしてなんとか見ようとしたり、肩車したりする人もいる始末である。スマホを出して様子を撮影している人もちらほらといる。「毎回毎回使う技が違うから、それが凄い人気なんだよ!」「まあ確かに、毎回おんなじ技使うのも飽きるから色々新しい技試したりはしてるけど」とそれだけ聞くとまるで格闘家のような言葉を桃色の髪をしたDJ少女は放つ。「今日の技は?」「腕十字固め」「あー、なるほど。結構スタンダードだね。となると結構オッズ高めだね」「は?」「実はね、次の日何の技を使うかが賭けの対象として凄い人気なの!賭場が開かれて、陽葉学園の何百人という生徒が予想して賭けてるの」「いやいやいや流石におかしいだろそれ!」「ちなみに賭場開いてるのは清水家なのよ!」しのぶの技に苦しみながらも絵空はそう言う。「普通に違法だろうが!」 しのぶが絵空を極める力を強める。「なんかでもそう聞くと次から珍しい技使って多くの人にダメージ与えたくなるな」「性格悪いわね〜」陽葉学園 山手響子 コスプレ衣装絵空が苦しみながらもそう漏らす。 「絵空に言われたくはない」「本当にそう」しのぶの言葉に由香も賛同する。「珍しい技って例えば?」由香がしのぶに問う。「………キン肉バスターとか?」 もはや関節技ですらない技の名前をしのぶは出す。「あ、それなら昨日の賭けの一番人気の技だったよ」「はあ?!?!賭けてる奴らピーキーすぎだろ。もうそれプロレス技じゃねえか!」しのぶは驚きのあまり口調がいつもよりさらに汚くなる。「……ちなみに、2番人気は?」