衣舞紀は、乙和とノアを見習った方がいいと思う。

「洗い物 陽葉学園 明石真秀 コスプレ衣装​​​​​​​  は私がするね。」「ありがとう咲姫。お願いするわ。」お鍋と小皿を数枚シンクの方に運ぶ咲姫を尻目に、衣舞紀はタブレットを操作する。何枚かの書類に目を通しつつ、次のライブ会場の見取り図をフォルダから引っ張り出す。プロデューサーとしての仕事は板についてきた…と周りから言われるものの、衣舞紀自身は自分の仕事の出来に納得がいかなかった。姫神紗乃という大きな壁。衣舞紀が憧れ、Photon Maidenのオーディションに参加するきっかけにもなった人物。(まだまだ足りてないのよね…)タブレットと睨めっこする衣舞紀の表情が険しくなる。と同時に、賑やかな声が耳に入る。「え?」バッと顔を上げた先にはテレビ。そのテレビがついた状態になっている。「今日はもうお仕事しないって約束だったのに…」咲姫がキッチンから拗ねたような顔を覗かせる。彼女の手にはテレビのリモコンが握られていた。咲姫は衣舞紀が仕事をしそうだったからテレビをつけて阻止したのだ。若干不機嫌そうながらも、咲姫はゆっくりシンクのものを片付ける。 洗い物が終わったらしく、エプロンを脱いで近くの椅子に置き衣舞紀のタブレットを取り上げた。「没収。」「…ごめんなさい。」咲姫は取り上げたタブレットを自身のパソコンの隣に置く。そして自身は衣舞紀の隣に腰掛け、そのまま衣舞紀に擦りついた。「衣舞紀は、乙和とノアを見習った方がいいと思う。」「甘えながら怒られても怖くないわね。」ネコのように戯れてくる咲姫の頭を撫でながら、衣舞紀はふと思い出したことを聞いてみる。「そういえば乙和とノアで思い出したけど…今日から二人で暮らすんだっけ?」咲姫から見せてもらったツーショット。あの写真では二人で同じ所に帰宅しているように見えた。「既に乙和は引っ越し先で生活してたみたい。ノアは明日からの予定だったらしいけど、悪天候が続きそうだから昨日のうちに引っ越したって。D4DJ 大鳴門 むに コスプレ衣装さっき写真送られてきた時に聞いた。」「ようやく同棲したのね…」乙和とノアは、私たち二人よりも早く付き合い始めた。見ている衣舞紀や咲姫が恥ずかしくなるほど甘々なやり取りを見せつけられたと思えば、今度は二人を挟んでの大喧嘩。今では少し大人しめになったものの、相変わらずの熱愛っぷりには変わらない。そんな二人がなぜ同棲をしていなかったかというと、それはノアがずっと拒否していたからだ。「ようやくノアがOKを出したのね。」「OKを出したというか、乙和が押し切った形だったみたい。」ノアは乙和の押しに弱い。衣舞紀は何度かノアが押し切られているところを目にしていた。「明日オフだし、デート行くのかな?」「あの二人のことだし、家で一緒に映画観たりライブ映像見たりしてるんじゃないかしら。…咲姫は明日デート行きたい?」