せつ菜センパイも、もーちょっと早く思い出してほしかったよねぇー

「……ねえ覚醒 南ことり コスプレ衣装 、いつまで拗ねてんの?」目を通していた書類を机に投げ出す。それに合わせて、彼女はまた頬をぷくぅと膨らませた。大きなリボンがトレードマーク。が、膨らませ過ぎて大きな頬袋がトレードマークになりかけ。わざわざ背もたれの下から足を放っぽり出しながらの着席、おまけに大股開き。その他やりたい放題の姿勢は、とてもじゃないが彼女の所作とは思えない。頬杖をつきながら窓の外を見やる。運動部の子たちが掛け声を合わせてランニング中。この面倒くさい状況がなければ、私もああやってトレーニングを積んでいただろうに。小さく息ついて視線を元に戻した。「それ。ずっとやってて痛くなんないの?」「……痛い」「ならもうやめない?」無返答。ちょっと口を聞いてくれたと思ったら、またすぐに寡黙にならないでほしい。本人はそれで良いのかもしれないけど、こっちとしてはやりづらい。いや、本当に。ピリッとした右頭部を軽く掻きむしりながら、再び書類を手に取った。『第xx回部活動予算審査会議の案内』。今日の昼休みに大慌てで渡された書類。部活動、同好会の予算希望が活動内容に対して妥当かを討論するソレだ。しかしニジガクは特有で、あまりに組織が多すぎるため、会議に招集されるのは予算が多額になった場合のみだ。所属代表が出席およびそれらの事由について答弁する。当然ながらいい加減な答弁では審査を通らない。入念な準備が必要なわけだ。「せつ菜センパイも、もーちょっと早く思い出してほしかったよねぇー。明後日とか急すぎでしょ」同好会に生徒会長本人がいながらもあまりに遅延した報告。「あっ!! 忘れてました!!」なんてお昼の途中に叫んだせつ菜センパイの顔といったら……。あっ!!覚醒 東條希 コスプレ衣装じゃないんですよ。当然私が部長なので、私が審査会の答弁をすることに。本当は侑センパイの手も借りるはずだったのだけれど、音楽科の補講と重なっていたため、そちらをさすがに優先してもらった。そんなこんなで絶賛準備中のわけなのだけれどーー。「かすみさん。まだ?」「だーかーら! もう少し待ってってば」「ふーん」。と、そっぽを向いてしまうしず子。私が書類に目を通し、答弁について考えるのに時間を使いたいと話してからずっとこの調子だ。あからさまに機嫌が悪い。ただでさえ、こっちもキリキリしてるというのに。わず頭部を掻いていた手に力を入れて、乱暴に髪をかき上げた。「今日は一緒に買い物行ってくれるって言ったのに……」