かのんちゃんの眼は優しく細められ、ありがとうと語りかけてくる

「蛍はね、虹ヶ咲 桜坂しずく コスプレ衣装 仲間と出逢うために光るんだ。蛍が飛ぶのは夜だから、真っ暗でお互いがどこにいるのか全然分からない。だから『ここにいるよ』って相手に見つけてもらうために光るんだって。」「見つけてもらう…ため…。」「うん。蛍の眼はすっごく光に敏感で、木陰や葉っぱの裏にいる相手の光だって、上手に見つけ出して傍に飛んでいくんだ。そしてお互いに光合って、心を通わせて大切なパートナーと結ばれる。」このだだっ広い真っ暗な世界の片隅で、どんなに微かな輝きであっても。必ず見つけ出して傍にいてくれる。ーーなんだか、私とかのんちゃんみたい。手のひらの上の蛍が飛んでいくのを見守りながら、なんて心の中で呟いてみた。ふわふわと漂う光芒を見送ったかのんちゃんが、私を見つめて微笑みかける。「…なんかさ、それって私とちぃちゃんみたいじゃない?」「…え?」心の中を見透かされたようで、一瞬息ができなくなった。間髪入れずに、今度は幸せが身体の真ん中の方からこみ上げてくる。「私ね、歌えなくなった時本当に苦しかった。一人でならいくらでも歌えるのに、みんなの期待を一身に背負った大切なステージではどうしても歌えなくって。そのうちステージの大小に関係なく人前では歌えなくなっちゃってさ。目の前が真っ暗になったよ。今まで当たり前に出来ていたことが出来なくなるってすごく辛くて、不安で…。いくら練習してもダメだった。私の精一杯の輝きなんて、きっと周りの人には届かないほどか細い光だったんだと思う。」繋いだ手を少しだけ強く握ってあげた。かのんちゃんの眼は優しく細められ、ありがとうと語りかけてくる。「…でもね、ちぃちゃんは必ず私を見つけてくれた。小学校の出演依頼の時もそう。世界はこんなにも広くて、虹ヶ咲 天王寺璃奈 コスプレ衣装真っ暗なのに、希望に煌めくその眼で私の微かな光を見つけ出して傍に駆けつけてくれる。」「かのんちゃん…。」「普段だったらこういうこと、なかなか照れくさくって言えないけど…。今日だけはなんだか素直に伝えられる気がするから。いつも傍にいてくれてありがとう。これからもよろしくね。」ああ。ひょっとすると、私はいつの間にか寝てしまって、夢でも見ているのかもしれない。見渡す限りに拡がるのは、美しい金色。淡く光っては消える、この瞬間だけの生命の煌めき。目の前には世界一大切な人。いつもと違う髪型に、見慣れない浴衣姿。そんな現実離れした世界で私が受け取るのは、どこまでも深い愛情と感謝のきもち。なんて言葉を伝えようか。ーー私も同じ気持ちだよーー私の方こそ、ありがとう