というか、なんで私、顔が火照ってるの!

 沙綾が

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染み抜きをしている間、おたえはじっと突っ立って、沙綾のなすがままになっていた。お母さんに世話をされている子供みたいだと最初のうちは思っていたけれど、背の高いおたえと超至近距離で向き合っていると、まるで抱き合う前の恋人同士のようでもあった。しかもおたえがさっきからなぜだか黙り込んだまま沙綾の手元をじっと見つめているので、沙綾は妙に意識してなんだか緊張してしまう。このままおたえの腕にぎゅっと抱きしめられたら、どんな感じがするだろう……?……って、なんでそんな想像してるんだ、私!?沙綾は心の中でぶんぶんと首を振り、自分の妄想を払いのけようとした。染み抜きが終わると、沙綾はそそくさと後片付けをして、洗面所を後にした。自分が動揺しているのをおたえに気づかれたくなかった。顔が火照っているのを見られなかっただろうか? ……というか、なんで私、顔が火照ってるの!?教室に戻ってからも、沙綾は心臓のドキドキが収まらなかった。席に着くと同時に、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り、慌てて教科書とノートを机の上に出す。授業中も、先生の説明は全然耳に入ってこなかった。頭から振り払おうとしても、おたえの生温かい息遣いや、襟元に触れていたときの感触が甦ってきて、沙綾は自分で自分に戸惑ってしまう。このドキドキが何なのか、沙綾はそれを知りたいような、知ってはいけないような気がした。落ち着け、充足の凱旋 湊友希那 コス衣私! 放課後はみんなで集まって蔵錬があるし、それまでに心を鎮めないと。きっと時間がたてば何でもなくなるはず。うん、そうだ、何でもない、こんなに胸の奥がぎゅっと締めつけられるようなのも、全部気のせいだよね……。