弾き終わる頃には宙に舞っていそうだ

 歌は結ヶ丘 平安名すみれ コスプレ衣装とてもすごいものだ。 月並みで平凡で抽象的で、何がどうすごいのか全くわからない表現だけど、こう言うしかないくらいにはすごい。「〜〜♪──♪」例えば窓からリビングを照らしている朝焼けを見て、床に座って即興で一曲弾けば、それだけで朝の目覚めがより良いものになったように感じる。机の上の木彫りのマンマル(可可ちゃん謹製色違い5体セット)もなんだか喜んで見えた。 私の指と弦の摩擦によって生まれるのは、きっと綺麗な音だけじゃない。音楽は何かしらのエネルギーになっているのだ。後ろからドアの開く音がすると、ぺたぺたと可愛らしい足音が近づいてくる。ギターの音で目を覚ました可可ちゃんが、私の頭の上に顎を、手を後ろから抱きしめるように回してきた。「いいものですネェ。朝から聴くかのんの歌も」「ふふ、ありがと」 脳に直接響くようにして伝わってくる声が、少しくすぐったくもあり、愛おしくもある。恋人で同居人な可可ちゃんと出会ったのも、私が街中で歌ったからだった。だとすれば音楽は運命にも作用するのかも……なんて考えても、可可ちゃんには言えそうにない。口にすれば彼女は喜んで同意してくれるだろうけど、顔から火が出るどころか爆発してしまいそうだ。「可可、かのんもかのんの歌も大好きデス」「も、もう。くすぐったいよ」 ぎゅーっと、腕に力が込められる。心地良い圧迫感と髪の香りに、なによりも「好き」と言う言葉で心が蕩けそうになる。 可可ちゃん曰く、この行為は結ヶ丘 嵐千砂都 コスプレ衣装「充電」とのことらしい。お返しにかのんもどうぞ!と両手を広げて誘われたことがあったが、照れ臭くて遠慮した。それ以来いっこうにお誘いが来ない。正直言ってかなり後悔している。やりなおしたい。「飲み物入れてきマス」するりと腕を解いた可可ちゃんは、台所の方へと向かって行ってしまう。名残惜しさはあるけれど、私にはそれを伝える勇気がなかった。余韻に浸りつつ、演奏を再開する。思うのは爽やかな朝から一変して、可可ちゃんのこと。今までのことと、これからのこと。一つ一つ考えるたびに私の心と一緒に浮き上がっては、幸福の感情を残して弾けていく。弾き終わる頃には宙に舞っていそうだ。