アンタ、結構可愛い服着てくるのね

 可可花の女神 覚醒 南ことり コスプレ衣装からお出かけの日時と場所の連絡をもらってから、私なりに色々遊ぶところを調べてみたんだけど、どうやらこの辺でグソクムシ展などと呼ばれるものが開かれているらしい。待って待って待って。絶対これじゃない、やってくれたわね可可……。まさか、そのためにあんなしおらしい態度を……!?とまぁそこまでわかっていてもなお、30分前に待ち合わせ場所に来てしまうとは、存外私も……。いや、多分そういうのじゃない。私より早く来た可可に謎マウントを取られないように、早く来ただけ。これはそんな感じのやつだ。「スミレ、来るの早すぎデス」「アンタいつの間に……」などと言い訳をして、心の中でうんうん頷いていると、いつの間にか横に立っていたことに内心驚きながら、可可に返した。それにしても、何この子? 可愛いじゃない……。いや、服ね? 服の話だからね?「何か言うことはないのデスか?」「え? おはよう?」「違いマス」「え、何。ナゾナゾ?」何この、私何で怒ってるかわかる? クイズ。別に遅刻したわけでもないし、可可よりも早く来てるから待たせてるわけでもないし。これまで、私と可可は親密とは言える関係を築いてきたわけではないから、可可の言って欲しいことを察せという方が無理な話だ。ともかく言えることが何もない。今日の予定は可可が決めてるから、彼女が何かアクションを起こさないと一生このままだ。どうしたものかと考えながらも、とりあえず会話を始めないとどうにもならないので、私はゆっくりと口を開いた。「アンタ、結構可愛い服着てくるのね」「……じゃ、行きましょうか」ん……? もしかして正解を引き当てた? いやいや。可可が私に服を褒められたいだなんてそんなことある? 歩き出した可可の背中を目で追うと、スカートがひらりひらりと揺れてとても可愛らしい。「何をしているのデスか。さっさといきマスよ」可可はくるりと周って私を見ると、ぼそっと呟いて、再び歩きはじめる。覚醒 東條希 コスプレ衣装私はその背中を駆け足で追っかけた。どこに向かっているのかはわからないけれど、このままいけば、例のグソクムシ展の会場についてしまいそうだ。「で、どこ向かってるんのよ」