最後の通し確認をした後、杏は同じチームの冬弥とこはねに向けてそう告げた

"出来てプロセカ 日野森志歩 コスプレ衣装いないよな"というのは、彰人本人に言うには見ている冬弥までが辛く、口にすることはなかった。こはねもこれではままならないだろうとは思うが、彼女の聞き分けのいい性格が邪魔をしているのだと、彰人が言う。それは冬弥に説明したというより、自分に言い聞かせているようにも思えて、より寂しさが伝わってくるようだった。「それじゃあ、今日はここで終わりにしよっか」最後の通し確認をした後、杏は同じチームの冬弥とこはねに向けてそう告げた。揃って頷いたあとに各々の荷物や片付けに入る。いつになく忙しない様子のこはねに、このあとも用事あるのかなと、杏は少しだけ肩を落とした。先述した彰人ほどすれ違ってはいないものの、相棒である杏でさえゆっくりと話も出来ないほどである。「……こはね、この後ちょっとだけ時間ある?」「杏ちゃん……ごめんね、この後は文化祭の買い出しに行かなくちゃいけなくて」「そっか……」わかりやすく落ち込んでしまう杏に、こはねは申し訳なさそうに小さく謝る。慌てて笑顔を作った杏は"こはねのせいじゃないよ!"とフォローをいれた。それでも寂しいという気持ちは、痛いほどこはねに伝わってしまい、こはねも体を縮こませた。せめて杏が笑顔になってくれたらと、無理に作っている笑顔はむしろ痛々しい。そんな二人を苦しそうに見つめていた冬弥は、空気を重くすると分かっていて、意を決してこはねを呼び止める。「青柳くん……?」「本当に、平気なのか」たったそれだけの会話で、ここにいない彰人のことだと、こはねは察することが出来た。自分の恋人である彼の相棒であり、良い友人である冬弥のことだ。彰人から聞いているに違いない――冬弥が、表情を歪ませるほど、悲痛な想いを。「――平気……じゃない、かな」「こはね……」「すごく辛いよ……いつも当たり前みたいに会えてたのに、顔も見れなくて……」こはねが俯いているせいプロセカ 東雲彰人 コスプレ衣装で、2人は表情を確認出来ない。なのに確かな寂しさを滲ませているのは、彼女の声が震えているからだ。「メッセージも……いつもはたくさん、くれたのに。私、全然返せないから……」「……小豆沢――」冬弥が何かを言いかけた途端、どこからとも無く無機質な機械音がした。所有者であるこはねが気づいたのか、自分のスマホを慌てて確認する。メッセージは同じ買出し班の友達だったらしく、明らかに落胆した姿が目に浮かんだ。"ごめんね、もう行かないと"。そう言ったこはねを今にも引き止めそうな杏だったが、冬弥がその腕を掴んで頭を振った。持て余した腕を、そのまま冬弥の方へと向けて、苦しそうに俯く。