お主みたいな良心の抜け殻と同じにするな

「《秘技Vtuber ミスタ・リアス コス衣百斬り》」波動を切り裂くことによってできた風の道を走るがあやめがアポロに妖刀を向ける頃にはとっくに次斬の体制が整ってしまっている。これではこっちの消耗がもたない。耳を襲う巨大な音が聴こえた後には足元から自身を貫く恐ろしい一撃。どこかでアポロにこちらからも攻撃を入れなければ、このまま落とされてしまう。「そんなものですか、助け出すんでしょう?ほらぁ!」宝剣に埋め込まれた四つの石がきらりと光り、再び旋風があやめに向かって放たれる。それは柱に的中し、根元から倒れたことによって白い煙が立ち込めた。その一瞬のうちに背後を取ったあやめの一斬りが初めてアポロへのダメージへと繋がる。しかし二斬り目が掴まれてしまいそのまま柱に投げ飛ばされた。打ち付けられ背中から脳へ伝わる激痛。あやめは地面に落ちるなり、痛みを食いしばるしか無かった。「不思議なんだよ、どうしてあなた達はそこまでして誰かを守ろうとする?前にも言ったかもしれませんが、この世界の民は全てただのデータに過ぎない。それに式神というのが本当なら今までに人なんてごまんと見てきたはずだ。なのに何故この少女のためにそこまでする」「......悪いか。余は今、余がしたいことをしてるだけ、余がスバルちゃんを。いや、四人がスバルちゃんを助け出したいと思ったからみんなで来たんだ。お主みたいな良心の抜け殻と同じにするな」「まぁ、そう怒らないで。何も私はスバルを殺したり人質として晒しあげようなんて思ってもいませんよ。―――むしろ可愛がる程です」地面を這うあやめを見下す形で立っていたアポロは急に後ろを振り返り宝剣を持たぬ手で首を掴んだ。ホロライブ 一伊那尓栖 コスプレ衣装白く、穢れを知らない綺麗な首。それは背後から歩みよっていたスバルの首であった。「スバルッ!」あやめの発狂も無視し、アポロはスバルを蹴り飛ばした。二回バウンドして彼女も石製の床の上で動かなくなる。ただ倒れてからも咳き込んでいるところから死んではなさそうだ。アポロもそう考えたのだろう。宝剣を掲げると、意識を取ろうとそれを振り下ろした。