二人で同じ制服着て制服デート! どう?

きちんと二重の虹 戸山香澄 コスプレ衣装 ノックをしてから私の部屋に入ってきた妹、日菜。元気よく扉を開けながらそんなことを言い出すので、手にしていたギターを一旦スタンドに戻し、それぞれの膝に肘を置き、手を顔の前で組む。いつもならそこまで真剣に聞かない日菜の突拍子もない発言も、つぐみさんが絡むのであれば話は別だ。つぐみさんから度々話は聞くが、日菜は中々つぐみさんやその他の生徒会の方々に多大なる迷惑を掛けてしまっているらしい。最近では弦巻さんの力を借りて、とんでもないことをしようと企てているという噂も。姉として、妹の奇行は何としても止めなければならない。……決して、決して『花咲川の制服姿のつぐみさん』というワードに惹かれた訳では無い。決して、決して、決して。「今度ねー? つぐちゃんと彩ちゃんがうちに来るからねー? その時に彩ちゃんに私の制服着てもらうの!」「……続けて」「その時に、彩ちゃんとつぐちゃんに制服持ってきてもらって、二人に制服を交換して着てもらうの!」「ふむ」「そのままつぐちゃんはおねーちゃんにパス! 二人で同じ制服着て制服デート! どう?」「完璧ね」ぱっちんぱっちんガシンガシン。幼い頃に何度か 行った手の動きを久しぶりに日菜としてみる。二重の虹 市ヶ谷有咲 コスプレ衣装どちらが上でどちらが下なのかまで完璧だった。にひひ、と日菜は笑う。くすり、と私も笑う。以前の私なら考えられないことだが、最近自分でも生活に余裕ができていると自覚できる。──変われているのだろうか、私は。なんて、他人事のように思ってみたり。