マンションの廊下で侑に手を振って、歩夢は自宅のドアを開ける。もうすぐ終わる夏休み

「じゃあ虹ヶ咲 エマ・ヴェルデ コスプレ衣装 歩夢、また明日ね!」「うん、また明日」マンションの廊下で侑に手を振って、歩夢は自宅のドアを開ける。もうすぐ終わる夏休み。初めての気持ちで迎えた今年の夏季休暇は、思えばあっという間だった。変化と焦燥と、決意の四十日間。スクールアイドル同好会に入って、早数ヶ月。今までに無い経験を沢山したし、知り合うはずのなかった人と沢山出会った。二人きりの時間はどうしても減ってしまうけれど、逆に言えばそれは、幼馴染の存在の大きさ、そして自分が一歩を踏み出すキッカケにもなってくれたのだ。不安は、無いと言えば嘘になる。また目を離した一瞬で、今度こそ侑は手が届かない場所へ行ってしまうのではないかという、得体の知れない恐怖。あんな思いは、二度としたくない。“不変”はあり得ない。自分が一歩を踏み出したからと言って、その速度が侑と同じとは限らないのだ。自室へ入った歩夢は、閉めかけたドアノブの手を止める。このドアから飛び出せば、侑に会える。ずっと見える場所にいてくれれば、姿を見失う事もない。そんな衝動を抑えて、自らの手で遮断しなければならない。「──大丈夫」私も歩き出した。どんなに離れていても、きっと追いつける。あなたがくれた勇気がある限り、私は笑顔で歩けるのだから。 歩夢は静かに、ドアを閉じる。「──歩夢~!」そんな気持ちを知ってか知らずか、呑気な声が飛んでくる。すぐ目の前──カーテンの奥、窓の向こうからだ。ベランダに出ると、建物が生み出す星の海が広がる。見慣れた景色のはずなのに、とても綺麗だと歩夢は思った。世界を彩る光の隙間を縫った夜風が、髪を撫でる。滲んだ汗が冷やされる、熱帯夜の束の間の安息。──声の主は、すぐ左。「侑ちゃん、どうかしたの?」案の定ベランダにいた幼馴染は、すでに部屋着に着替えていた。いくらなんでも早すぎる。制服は抜きっぱなしではなかろうか。何度シワになってしまうと言っても、虹ヶ咲 近江 彼方 コスプレ衣装改善する気配がない。「歩夢! 見てよホラ!」 そんな歩夢の心配をよそに嬉々として差し出された手に握られていたのは、「……シュークリーム?」ホイップたっぷりのシュークリーム。美味しそう。手からはみ出るその大きさは、徳用ではなさそうだ。「お母さんがお土産に買ってきてくれてたの! すっごい美味しいから、歩夢にもおすそ分け!」晩ごはんはこれからだろうに、こんな大きなシュークリームなんて食べて大丈夫なのだろうか。歩夢も食事はこれからなのだ。直前の間食は褒められた行為ではない。とはいえこの“トキメいた笑顔”を前にして、断るのも気が引ける。「はい、あーん」「あーん……」結局、押しに弱い。パーテーションを避けてシュークリームごと差し出されたので、歩夢も口で受け取るしかない。雲のように軽い生地と、濃厚な生クリームとカスタードクリームが口の中で溶けていく。鼻腔に残る甘い匂いが、嚥下した後も風味を楽しませてくれる。