肌を刺すような寒さが続いても雪は一欠片も姿を見せない

「あったかい」ホロライブ 桃鈴ねね コスプレ衣装 角を挟んで隣り合わせに座るこんこよが机の上に溶ける。私たちの足元は電熱に温められて、つまりこたつは温々としている。「温めといてあげたんだから、感謝してね」「クロたんが温まりたかっただけでしょ」だらけきったコヨーテが目を細める。クリスマス当日。真昼間に起き出した私たちは、町内会の手伝いに出向いた三人の帰宅をこうして待っている。窓の外は快晴。肌を刺すような寒さが続いても雪は一欠片も姿を見せない。だからこうして、シャチと獣人はこたつに入る。こんこよは普段着を着流して、髪をポニーテールに編んでいる。艶やかな桃色の髪が、私の心を締め付けて息苦しい。「クロたんの手、握ってもいい?」「……なんで?」「握りたいから」やけに甘えた声でそんなことを言う。こんこよのしなやかな手が近付いて、私の指に指を絡める。「こうして手を繋いでいれば、もう逃げられないから」「……逃げないよ」「やった」と、こんこよが口角を上げる。手は繋がれたままで、話題は逸れて体温が上がる。足を曲げているのが煩わしい。鼓膜を愛の言葉で揺らしたくなる。絡んだ指が強弱をつけて何かを訴える。1ビットずつの信号が、雄弁に愛情を語る。「ドキドキしてる」悪戯な笑顔が咲く。「ねえ、どんな気持ち?」「さいあく」「こよのこと、もっと好きになってくれた?」「きらい」「ほんとは?」「……」押し黙った私を見て、こんこよが困ったように溜息を吐く。目を閉じ、唇を差し出して、声を漏らす。「クロたん、キス、してよ」「……積極的じゃん。ふたりだから?」手を握る力が強くなる。「……クロたんからは来てくれないから。だから、こよのことを好きになってもらうことにしたの。クロたんがこよのことを忘れてしまっても、こよのことをまだ好きでいてくれるように。好きで好きでしょうがなくなっちゃうように。VTuber Hiiro コスプレ衣装虜にしちゃうから」 こんこよが片目を開いて、薄紫色の瞳を輝かせる。同時に足が絡みついて、もう逃げられないことを悟らせる。私の視線を窺っていたこんこよが、満足気に目をつむる。頬に手を寄せる。彼女も緊張していたのだと、私は知る。弾かれる秒針。高鳴る鼓動。潤む瞳。上気した頬。悩まし気な眉。小さな手。脈動が心を揺らす。秒針が静止する。乾いた音が鳴る。露わな首筋。艶やかな髪。甘い香り。君の息。そして赤い唇。指先でなぞって、くすぐったそうに声が漏れる。鼓動。鼓動。鼓動。可能な限りの面積で体温が交換される。息苦しさを感じるまで、私たちは貪り合う。「……おいしかったよ、クロたん」「ずるいよ」「研究したからね、どうすれば、クロたんに愛して貰えるか」 額の汗に、前髪がへばりつく。