ちょっと、愛さん、髪の毛ぐちゃぐちゃになっちゃうから

それでもレインボーローズ 桜坂しずく コス衣装 教室に引きこもったりせずに、こうやってりなりーと一緒にお昼ご飯を食べてるのは、……表情が豊かになったりなりーを見てるだけで、みるみる心が元気になっていくからで。「……愛さん。ねえ、愛さん、聞いてる?」突然りなりーの顔が目の前に来て、アタシは思わずのけぞってしまった。りなりーはジト目のまま、むすっとした表情でアタシのことを睨んでいて。……ヤバ。りなりーに見とれてて、りなりーの話全然聞いてなかった。なのにりなりーの不機嫌な表情が新鮮で、嬉しくなったアタシの口元はつい緩んでしまう。「もう、なんで笑ってるの! せっかく私が心配してるのに!」「ご、ごめん、りなりー」アタシは慌てて口角をむにむにと両手でほぐした。「何の話だっけ?」「愛さん、最近余裕なさそうってこと」りなりーは呆れたように小さくため息をついた。そして顔を引き締めて。「部室にいる愛さん、いっつもため息ついてる。休み時間にすれ違ったときは気を張ってるみたいだし、なにかをじっと考え込んでるときもあるし。……ねえ、愛さん。困ったことがあるなら相談して。同好会のみんななら、絶対に相談に乗ってくれるから。もちろん、私も」「…………」こっちの世界にはちょっとずつ変わっているところがいくつかあるけれど、それでも変わっていないものも多い。例えば同好会のみんなの性格だ。元の世界のりなりーは、他のひとの気持ちを読み取るのがうまいおんなのこだった。きっとそれは、中学時代のりなりーが、顔色を窺いながら他のひとと話していた名残なんだと思う。自分が感情を表に出せないから、他人の感情の機微に敏感になってしまったっていうのは、少し切ないことなんだけど。でも感情が表に出ないからこそ身についただろうりなりーの性格は、感情を表に出せるこっちの世界のりなりーにも引き継がれているらしい。レインボーローズ 朝香果林 コス衣装あるいはそもそも、 りなりーは最初からそういう性格だったのかも。「……ありがとね、りなりー」 あたしはぽつりと言って、けれど急に気恥ずかしくなって、りなりーの頭をわしゃわしゃと撫でた。「もうっ! ほんと、りなりーは可愛いなぁ!」「わ! ちょっと、愛さん、髪の毛ぐちゃぐちゃになっちゃうから」「でもあたしは大丈夫! りなりーと一緒にいれば、私はいつでも元気になれるんだよ」