彼方本人はその時も寝ていたのでその事を知らないだろう

その日は覚醒後 近江彼方 コスプレ衣装 

授業から同好会の活動まで少々時間があった。時間潰しの方法と道の二つに迷いながら選んだのは食堂。カフェラテを買ってお気に入りの窓際の席へと向かうと先客がいた。普段なら別の場所に座るだけ。だがその先客が知り合いなら別。ましてやその知り合いが友人でありスクールアイドル同好会の仲間でライバルである近江彼方なら。また更に机に置かれた枕に突っ伏してぐっすりと寝ているとなれば、もはや対面に座る以外の選択肢はなかった。「う〜ん、もう食べられない……」どんなベタな夢を見ているのかしら。そんな事を考えながら寝顔を覗くと、憎たらしいほど整っていて眉を顰めてしまう。自分もモデルやスクールアイドルをしている身として顔に一定の自信はあるが、親かエマぐらいしか見ることがほとんどない寝顔は別だ。基本見られる場面での妥協は許さないが、見られない場面では何も気にしない。朝起きた時枕に唾液がべっとりついているなんて日常茶飯事だ。しかし目の前で寝ている彼方は寝顔すら美しい。きっと努力したわけではなく、人前で寝ることが増えてから自然に身についたのだと思う。以前璃奈ちゃんも彼方の寝姿は無防備だけどだらしなくは見えないから凄いと言っていた。璃奈ちゃんボード『むむむ』も一緒に出していた気がする。彼方本人はその時も寝ていたのでその事を知らないだろう。まあその後私の知らないところで伝えている可能性はある。とにかくわざわざ私から教える必要はない。「かすみちゃん……そんなたくさんのコッペパンどうするの……?」カフェラテを一口飲んで彼方の寝言に耳を傾ける。どうやらフェス 南ことり コスプレ衣装彼方の夢の中ではかすみちゃんが大暴れしているようだ。さっきお腹いっぱいだと言っていたのはかすみちゃんのコッペパンの所為か。そういえば昨日かすみちゃんはえらく上機嫌で何やらニヤニヤと笑っていた。 もしかしたら大量のコッペパンを本当に作って来るかもしれない。不思議な雰囲気もあるし、彼方が見た夢は正夢になるなんてこともあったりするのかしら。