18歳、二重の虹 山吹沙綾 コス衣装 
ほぼ大人と言って差し支えない。私に子供時代なんてあったのだろうか。もちろん、身体的にはあった。しかし、精神的には今も昔もあまり変わっていない気がする。子供の頃から「大人っぽいね。千聖ちゃんは」そう言われていた。思い返しても、甘えたり、我儘を言ったことはなかった気がする。もしかしたら、イメージや周りが期待しているのが、"子供だけど大人のような天才子役の白鷺千聖"だから、それを演じていたのかもしれない。そうやって、演じているうちに女優の白鷺千聖と素の白鷺千聖の境界線はなくなっていったのかもしれない。そう思うと、たしかに心当たりはあった。本当はこっちのお菓子が欲しいと思っても、別の子が欲しいと言ったら「私はどれでも良いから好きなのいいよ」と我慢して誰かに譲っていた気がする。だって、私は大人な白鷺千聖だから。子供ながら、そう自分に言い聞かせて我慢して振舞っていたことが、いくつも記憶として甦ってくる。きっと、大人っぽいを演じているうちに、本当に大人っぽい子供として育って、大人の一歩手前まで来ているのだろう。周りの子は経験したことのある子供時代のキラキラした楽しい思い出があるはずなのに、大人を演じているうちに大人になってしまった私には、そのような思い出はほとんどなかった。戻らない空白の時代は、もう二度と掴めないものだから、なおさら輝いて見えてしまう。白鷺千聖を捨てたいけど、捨てられない。夜行性ハイズ コスプレ衣装捨てたところで本物の白鷺千聖が分からない。「とりあえず、ジブンはジブンらしく頑張ってみますね！」麻弥ちゃんの悩みは解決されてみたいで良かったが、それ以上に素の自分に対する不安が増してしまい、素直に笑えないままだった。
