「やはりこの時間帯は人が多いですね…目が回ってしまいそうです。」


 彼女の名前は伊落マリー。トリニティ総合学園のシスターフッドに所属する、いわゆる修道女である。マリーは人々が行き交う歩道を「よいしょ、よいしょ」と可愛らしい声をあげながら縫って進んでいく。時々「申し訳ありません」や「ありがとうございます」などの他者への配慮のような声が聞こえるのは彼女の性格を良く表していると言えるだろう。ブルアカ 伊落マリー コスプレ衣装

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 そんなマリー、性格を一言で表すならば「善良」である。人に優しく、自らに厳しく、誰かのために心からの祈りを捧げることができる。秘密主義的な側面が目立ち、トリニティの人々から不信がられることも少なくないシスターフッドの面々であるが、そんな性質を持つマリーは例外だった。

 要はみんなから親しまれるシスターさん、ということである。そんなシスターさんがどうして昼間の大通りに来ているのかというと…


「卵1パック98円…いくら人が多いとはいえ、今はお財布の厳しい時期。このような機会を逃すわけにはいきません!」


 そう言って、むんすっと気合いを入れるマリー。こういった俗っぽい所もまた、彼女が親しまれる所以だった。タイムセールが始まれば争奪戦となることは必至。このような争い事に身を投じる自分自身を恥じる気持ちを押さえ、通りを歩いていると、遠くの方に目的のスーパーが見えてきた。あと少しだ、という事実に気づき、笑みを浮かべ一直線に店へ向かおうとしたその時。


「あれは…」ブルアカ 十六夜ノノミ コスプレ衣装


 とある少女が目に入った。
 第一印象は「綺麗」。足元まで伸びる黒髪に、透き通るような水色の瞳がよく映える。その顔は神秘的で…どこか機械的な美しさを感じさせた。その容姿は、10人に聞けば10人が美しいと答えると予想できるほど。キヴォトスでも稀に見るほどの綺麗さを持つ少女だった。

 しかしその美しさも、今はあからさまな困り顔で台無しであったが。彼女はスマホを真剣に見ながら「うーん、うーん」と口にし、眉根を寄せている。どう考えても「困っている人」のそれだった。その様子が幼さを助長させ、こちらに「美しい」ではなく「可愛らしい」という印象を与えてくる。


「むむむ…どうすれば良いのでしょうか…。まさかみんなに聞くわけにもいきませんし…。」


「…」


 スマホと睨めっこする少女を見て、マリーは考える。今ここで彼女に手を差し伸べれば、自分は間違いなくタイムセールに間に合わない。しばらく財布と相談する日々が続くことになるだろう。それは辛いことだ。マリーだって年頃の女の子。お金をただの食費ではなく、ファッションやスイーツに使いたいと思う。そういう意味では、ここで少女を助かるという判断は間違っている、マリーにとって不利益と言えるだろう。しかし…


「こんにちは、何かお困りですか?」


 それがどうしたと言うのか。
 マリーはシスターである。そしてシスターとは、神に支え、困っている人々や悩んでいる人々を救済する役目を担うものだ。その事実と比べれば、自らの利益など如何程の価値があるというのだろう。

 一瞬でも自分の欲と他者の困難を比較してしまった己を恥じつつ、マリーは少女に声をかけた。ブルアカ 池倉マリナ コスプレ衣装